三重県の昔話

民話の舞台を訪ねて「幽霊飴」

先日、PCを買いかえてお引越しを済ませたわけですが、
メールが使えなくなってしまいました。
thunderbirdを使ってるんですが、アカウントがないだの、パスワードが違うだの、
昨日まで使えてたじゃん!って状態になってしまいました。

そんなこんなで、再設定しなおしたり、アンインストールしたり、再度ダウンロードしなおしたり、
再起動をかけてみたり、奮闘すること一週間。
まったく解決しません。
まぁ、受信するのは、ほとんどが広告メールばかりなんでが・・・
それでも、ないと困るわけで・・・
面倒くさいけど、サーバー元へ問い合わせてみることにします。



さて今回は、
桑名市にある「浄土寺」というお寺のそばにあった飴屋さんにまつわる話です。

DSCN9111.jpg

今から約320年前の元禄時代半ば
今から約320年前の元禄時代半ば
今から約320年前の元禄時代半ば
元禄時代半ば、桑名に「飴忠(あめちゅう)」という飴屋がありました。

夏のある夜のこと、飴忠の親父が皆が寝静まったあと一服していると、

「飴を一文ください」と一人の女が飴を買いに来ました。

親父は夜中ではあったけれども快く飴を売ってやりました。


次の日、親父が銭勘定をしていると、銭箱の隅に樒(しきみ)の葉が入っているのです。

そんな事が2、3日続き、流石に疑問を感じた親父は「さてはあの女は狐か狸か」と思って、

正体を見極めてやろうと次の晩を待つことにしました。




DSCN9112.jpg


次の日は朝から夜までずっと雨が降り続きました。

親父も「さすがにこの雨では狐らも諦めたろう」と思っていると、女が現れたのです。

女が傘もささずにやってきたのに全く濡れていないことに気づいた親父は、こっそり女の後をつけてみることにしました。

すると、浄土寺の方にきてすぅっと消えてしまったのです。

「やはり狐か狸だな!」と思った親父は、朝になると浄土寺の住職に狐退治を依頼しましたが、住職はもう一度最後まで見極めてみてはどうかと提案し、親父はしぶしぶもう一度最後まで確かめてみることにしました。




DSCN9113.jpg


その夜、女をつけた親父は、女が寺の裏手にある無縁仏の墓の前で消えるのを目撃しました。

「幽霊だったのか」と震える親父が土饅頭に耳を当ててみると、赤子の泣き声がします。

住職に了解をとって掘り返してみると、墓の中で赤子が泣いているではありませんか。

この墓は5日前に浄土寺の前で亡くなった身重の女性のものだという住職は、「死んでから産まれた赤子を育てようと飴を買いに行ったのだろう」と言って、女を改めて供養しました。

そして、飴屋の親父はその子を引き取って育てることにしました。




DSCN9114.jpg


DSCN9118.jpg


DSCN9119.jpg


この話が広まって、飴忠の飴は「幽霊飴」として評判になり、今でも八月の地蔵盆には「幽霊飴」が売られているそうです。




DSCN9120.jpg


浄土寺

 西山浄土宗  西山浄土宗のお寺です。

 山号は袖野山 ご本尊は阿弥陀如来
 1049年(永承4年)海中から出現した地蔵尊を祀ったのが始まりと伝えられている。


三重県桑名市清水町45


今では、飴忠のお店はなくなってしまいましたが、

今でも毎年、地蔵盆の8月23日と24日の夕方、お寺の境内で「幽霊飴」が売られるそうです。

機会があれば、食べてみたいです。



まんが日本昔ばなし 幽霊飴  ← 動画が見られます。



関連記事

コメント

  • 大暗黒天.
  • URL

有名な逸話ですが、三重県にもゆかりのある寺があるんですね。
知りませんでした!

  • ほしみ
  • URL
大暗黒天. さん

京都が有名ですよね。
落語のネタも京都が舞台ですし。

コメントの投稿








管理者にだけ表示を許可する

トラックバック