日差しの色が白くなってきましたね。
空の色も白っぽくなってきて、秋ですね~
暑さも一段落したかと思っていましたが、
ここのところの昼間の暑さは何なんでしょう。
ところが、この週末からは急に寒くなるらしいので、体調管理に気をつけましょうね。
先週土曜日は、休日出勤でした。
月曜日が振替で休みだったんですが、月曜日じゃなきゃできない仕事があったので、
朝一10分ほどで仕事を済ませて、久しぶりに民話を訪ねて出かけてきました。
今回は、名張市の民話です。
それは、比奈地ダムができるずっと前のこと、
長瀬村の人々はむかし、長者ともども仲がようて、毎日田畑に出て仕事に励んでおった。
それは、ある年のいちばん暑い夏の日のことやったそうな。
それは、ある年のいちばん暑い夏の日のことやったそうな。
いつものように村の衆が仕事に出てみると、田んぼの水がすっかり干上がっていた。
ひどいひび割れができて、とても米はできそうにないほどじゃった。
「こりゃあ、どえらいこっちゃ。何事が起きたんじゃろう」
村の衆はもうびっくり。どうすればよいものかと、長者どんのところへ知らせに走った。
村の衆はもうびっくり。どうすればよいものかと、長者どんのところへ知らせに走った。
「長者さま、長者さま。えらいことが…。田んぼがカラカラになってしもうた」
「それは困ったもんじゃ。どうすればええんかのう」
長者さまはみんなの顔を見わたし、腕組みをして考えたそうな。
「田んぼの水が干上がってしもうては米がとれへん。みなの衆、何かよい策はないものかのう。
「それは困ったもんじゃ。どうすればええんかのう」
長者さまはみんなの顔を見わたし、腕組みをして考えたそうな。
「田んぼの水が干上がってしもうては米がとれへん。みなの衆、何かよい策はないものかのう。
このままでは年貢もおさめられやんし、これからのわしらの飯もくえやんで」

村中が集まって考えこんでおった時のことじゃった。
どこからともなく、一匹の年老いたサルが現れて、長者さまの前にひょこんと座りこんで、
「どうしたんじゃ。こんなにぎょうさん集まって、何やら心配ごとのようじゃが。ひとつこの老いぼれにはなしてみんかい。力になれるかもしれへん」と、自信たっぷりに言いおった。
「どうしたんじゃ。こんなにぎょうさん集まって、何やら心配ごとのようじゃが。ひとつこの老いぼれにはなしてみんかい。力になれるかもしれへん」と、自信たっぷりに言いおった。
長者さまは天にもすがる気持ちで、
「じつはなあ、サルどんや、田んぼがごらんの通りじゃ。どうにかならんかのう」
「なんじゃあ、そんなたやすいことか。よっしゃ、このわしに任せておけ」
サルは、ポンと胸をたたいてまたどこかへ去っていったそうな。
「じつはなあ、サルどんや、田んぼがごらんの通りじゃ。どうにかならんかのう」
「なんじゃあ、そんなたやすいことか。よっしゃ、このわしに任せておけ」
サルは、ポンと胸をたたいてまたどこかへ去っていったそうな。

そしてあくる日の朝、あまりあてにもしとらんかったが、長者さまが田んぼに来てみると、
あるわ、あるわ。田んぼに水がたっぷり。
そりゃあもう長者さまはびっくりぎょうてん。うれしくておどらんばかりに手を打った。
そこへ昨日の老いぼれザルがひょっこり現れて、うれしそうにその様子を見ておった。
「どやな長者どん、水はちゃあんと入れてやったで」
と、得意げに鼻をピクンと動かしたそうな。
「それにしても、いったいどないして水を入れたんや」
長者さまは不思議がるばかり。
「どやな長者どん、水はちゃあんと入れてやったで」
と、得意げに鼻をピクンと動かしたそうな。
「それにしても、いったいどないして水を入れたんや」
長者さまは不思議がるばかり。

老いぼれザルが言うには、仲間のサルを千匹(せんびき)集めて、田んぼの下にある川の中にからだをつけては、田んぼの中でブルブルッと身ぶるいし、それを何回もくり返して、一晩(ひとばん)のうちに田んぼを水でいっぱいにしたそうな。長者さまは、サルに何度も何度も頭を下げて礼を言った。
それからというもの、この田んぼのことを「せんがりの田」と呼ぶようになったそうな。
それは、サルを千匹借りたので「せんがりの田」となったんじゃ。
そこは、名張から長瀬へ行く途中にあって、田んぼから広い茶畑に変わっても「せんがり」という地名は残っておったが、今では川下にダムができ、水の底になってしもうたんじゃ。




ちょうど赤岩大橋のすこし上流あたりがそこなんや。
名張市 せんがりの田 ← 三重県のHP
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